非常用発電機の負荷運転、各種点検、メンテナンス

関東設備試験サービス

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点検業務内容

法令による点検義務

施設に設置される非常用発電機は、総務省消防庁予防課通達(平成30年6月1日公布)「自家発電設備の法令改正と点検の実施義務」(消防予第372号)により、一年に一度、
保全策点検 内部観察点検 負荷運転点検 
から一つを選択し、点検を実施することが義務付けられました。

※ 但し、下記の①②③のいずれかに該当する場合は、​保全策点検を選択する事は出来ません。​

(1) 前年度に負荷運転又は内部観察又は保全策のいずれも行っていない場合​
(2) 5年以内に、負荷運転又は内部観察を行っていない場合​
(3) 最後に負荷運転又は内部観察を行ったのが5年以内であっても、その間に​一度でも保全策を行っていない年がある場合

負荷運転点検

消防法で定められている負荷運転点検は、消火活動に必要なスプリンクラーや消火栓ポンプを動かす為の運転状況や換気状況を確認する点検です。「負荷試験」とも呼ばれています。
疑似負荷試験装置、実負荷等により、 定格回転速度及び 定格出力の30% 以上の負荷で必要な時間連続運転を行い確認します。

» 負荷運転の実施内容

月次点検等で行なっている無負荷(空ふかし)運転点検だけを行っていると、ディーゼルエンジン内にカーボンが堆積されます。
堆積されたカーボンを燃焼排出させておかなければ、非常時に発電機が正常に動かず、消火活動が出来なくなる怖れがあります。
その為、1年に1回は30%以上の負荷運転を行い、実際の発電機の出力や消防設備の作動確認を行うとともに堆積したカーボンを除去することが必要になります。

保全策点検

運転性能の維持に係る予防的な保全策が講じられている場合は負荷運転もしくは内部観察の実施が免除されます。
「1.確認すべき項目」を確認し、 「2.交換すべき部品」をメーカーが推奨する交換期間以内に毎年行います。

1.確認すべき項目

(1)自家発電設備に予熱栓が設けれている場合
 予熱栓と発熱部に断線、 変形、絶縁不良等がないこと
(2)自家発電設備に点火栓が設けられている場合
 ア. 電極の異常な消耗がないこと。
 イ. プラグギャップ値が製造者の指定範囲内であること。
 ウ. 異常なカーボンの付着がないこと。
(3)自家発電設備に冷却水ヒータが設けられている場合
 ア. 冷却水ヒータケース外周又は近傍の排気管等に触れ
 その他の部位より温度が高いことを確認すること。
 イ. テスタにて冷却水ヒータの断線等の有無を確認すること。
(4) 自家発電設備に潤滑油プライミングポンプが設けられている場合
 潤滑油プライミングポングが正常に作動していることを確認すること。

2.交換すべき部品

  1. 潤滑油
  2. 冷却水
  3. 燃料フィルター
  4. 潤滑油フィルター
  5. ファン駆動用Vベルト
  6. 冷却水用等のゴムホース
  7. 燃料、冷却水、 潤滑油、 給気、排気系統や外箱等に用いられるシール材
  8. 始動用の蓄電池

内部観察点検

消防庁が平成30年6月に新たに負荷運転に代わる手段として規定した点検方法になります。
部品を取り外し発電機のエンジン内部などを内視鏡等を用いて点検を行います。
  1. シリンダ摺動面の内部観察
  2. 過給器コンプレッサ及びタービン翼の内部観察
    (過給器コンプレッサ等を有するものに限る)
  3. 排気管の内部観察
  4. 潤滑油の成分分析
  5. 冷却水の成分分析
  6. 燃料噴射弁等の確認
大掛かりで長時間の作業となります。また交換部品も多くなるため、費用が高額になる場合があります。

負荷運転点検をお勧めしています

「保全策点検」は、冷却水やエンジンオイルなどを交換する点検であり、「内部観察点検」は、シリンダヘッド等を分解して内部をファイバースコープで観察する点検です。
しかし、いずれもエンジン性能(非常設備を)を確認する点検ではありません。

また、非常用発電機(自家発電設備)の定格出力が、消防用ポンプの出力を上回っていないと、ポンプが作動せず消火活動ができなくなる恐れがあります。

そのため、非常時にスプリンクラーや消火栓を稼働させることができるかどうか、「本当の出力性能確認」が必要となります。